うまなりの馬なりブログ

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子別れって必要なの?

子別れとは、ある程度成長した子馬を無理やり母馬と引き離すことです

とても残酷で可哀想に見える子別れをどうしてしなければならないのか、そもそも子別れは必要なのでしょうか?

 

目的は、はっきり言うと子馬は母馬への依存を切り離して人間との関係を築き易くすることと母馬は次の出産育児に備える為です。

野生の場合、生後1年ほどで自然に親離れしますので「子別れは必要か」というより子別れしてしまいます

 

実際に子別れを行う時期(生後半年以上でおおよそ10月頃)にはもう子馬は離乳して殆どの時間を同じ歳の子馬同士で過ごします。

 

親と引き離しても泣いてる時間は早い馬なら30分くらいで慣れる子もいて出されたご飯に夢中になってる馬も多くいます。

YouTubeに、お互いに悲しんで鳴いてる動画などありますが確かに可哀想ですね。でもそれがずっと続くわけではないですし、もう母馬を必要としなくても生きていけるということです。

 

一応、母馬の母乳での栄養を必要としない時期は生後4カ月なので、それ以降であれば理論的には子別れも可能となります

ひと昔前のアメリカではその時期から子別れを始めてましたが、やはり馬にとっては精神的ストレスになるので今では生後半年以降にしています

 

もちろん日本でも一律に同じ時期にするのではなく馬によっては子別れを遅らしたりするようです

 

ちなみに新米母馬で1年目は子馬を邪険に扱っていたのに、子別れを経験後必死で自分の子馬を探し悲しんで翌年から子煩悩の良き母になった馬もいたそうです

 

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