うまなりの馬なりブログ

競走馬のベテラン厩務員が教える馬ブログ

ドーピング検査

何年か前にですが、検査済と言われてたサプリメントが再検査の結果まさかの禁止薬が検出されるという前代未聞の出来事が起こりました。

 

覚えてる方もいるでしょうがそれによってその当該週の競馬では、サプリメントの摂取が疑われる馬が大量に除外され大きな混乱が起きました。

その後の検査では、除外された馬たちは全頭陰性で禁止薬物は検出されませんでした。

 

そもそも検査で陽性結果の出たサプリメントは製造日から半年以上が過ぎ、その間相当数が消費されていたので当然競馬後の検体検査を受けた馬も多くいたでしょう。しかし当該禁止薬が検出された馬は1頭も出ませんでした

 

おそらく当該サプリメントに含まれていた禁止薬はごく微量でサプリメントそのものを検査した場合は検出されましたが、一度馬の体内に入ったものは代謝によって分解され検出されなかったようです

そして競走馬の理化学研究所による検査はとても精密で見過ごしたと考えられないです

 

どのくらいの精度かと言うと、例えば検体(尿)採取するさい採取員がタバコを吸っていたらタバコの成分を検出するくらいです(これってすごいですよ、直接採取するのは馬なのに手も触れてない採取員のタバコを検出してしまうんですから)

 

当時の検出された禁止薬テオブロミンという物質は検体の中から僅かでも検出したら違反の薬物です(禁止薬の種類によってはある一定の分量を越えた場合違反になるのもあります)今回の件はごく微量で馬に影響をほぼ与えないと推測されますが、厳しい緻密な検査を行い疑わしい馬を除外にしたJRAはそれだけドーピングに対して公正競馬を守るという意志が感じられます