うまなりの馬なりブログ

競走馬のベテラン厩務員が教える馬ブログ

2023-01-01から1年間の記事一覧

本音と建前?

ほんとに思うんですが、職場でもプライベートでも人間関係のコミュニケーションで正論ばっかり振りかざす人いません?はっきり言ってそなんことより感情で話して欲しいですね正論をかざすのは本音と建前で言う建前なので、会議で議論してるんじゃないんです…

惨敗したら厩務員も辛い

やっぱり、担当馬が具合も良くて勝てそうなチャンスの時に競馬に勝てると思って惨敗した時は厩務員もショックです大きなレースだと、馬を引き取るまで茫然とすることもありますただ馬を引き取ったらもう落ち込んでられません切り替えて脚元や馬体に異常がな…

遺伝子ドーピング検査

競馬でも遂に馬の遺伝子ドーピングの検査が、始まったみたいです遺伝子ドーピングなんてSFの世界かと思ってたのですが現実的な存在になったとは科学の進歩は凄いです因みに遺伝子ドーピングは人間でいう遺伝子治療の技術を応用したものを想定しているとのこ…

幸せの価値

お金や物質の豊かであることはある程度までは幸せに直結しますが、ある一定程度を越えればそれに影響はしません。 しかし、コミュニティの密接さはあればあるほどに幸せに影響します。 難しい言い方ですが、例えば結婚生活などの家族の環境はコミュニティの…

祖父と馬

自分は競馬界に何の血縁も人脈もなく、馬に興味を持ったのもダビスタにハマったからなんですが、祖父は馬と縁がある人でした。 もうずいぶん前に亡くなったのですが、戦争中に軍隊で馬の教官をしてました。 日本で終戦を迎えて軍が解散の時に馬を一頭貰って…

厩務員は誰でもできる

厩務員はやろうと思えば誰にでもできる仕事です、技術や経験は馬の仕事をしていれば自然に着いてきますその為に必要なのは根気よく継続すること それと馬へのプラス一手間掛けれること、例えば人参を忘れても面倒でも取りに戻る手間を掛けること、帰る前に一…

競馬で勝つと嬉しい

競馬で担当馬が勝ったらどんなクラスでもめちゃくちゃ嬉しいです もう関わる人みんな笑顔ですし、周りの厩務員さん達からも祝福されますし(逆に他の馬が勝ったら祝福します)終始和やかな雰囲気になります その中でも、口取り撮影でオーナーさんや会員さん…

夏を感じる意外なもの

そろそろ夏競馬の準備をと言うと、流石にまだ早いでしょ?となりますが トレセンでは夏競馬は函館開催が始まると夏競馬の開幕なのでもう来月には始まる予定になります それでもまだ早いと思うかもしれませんが、函館競馬場には5月の終わりから入厩できますの…

調教で凄いって思ったジョッキー

リーディング上位のジョッキーはやっぱり、とんでもなく上手いです。特にレジェンド級のジョッキーは感性も鋭くて勉強になります その中で私が調教で併せ馬をしたジョッキーで凄いと思ったジョッキーは現役時代の四位騎手です 四位騎手は初めて乗った新馬を…

G 1のパドック

今までに回数は少ないですがG 1レースに出走したことがあります 一言で言うとパドックの雰囲気が他のレースとは全く違いました 初めてG 1に出走する時は、パドックを思いっきり楽しんで来ようと考えていましたが、いざ入場すると凄いファンの数とオーナー関…

ジョッキーと調教助手はどう違うの?

ほとんどの場合ですが、普段の馬の調教はジョッキーが乗ることはあまりありません 理由はシンプルにジョッキーの数が調教助手に比べて少ないからと、調教助手で充分に調教ができるからです この調教をする両者の違いについて、基本的にはジョッキーの方が技…

定年後にしたいこと

厩務員にも定年があります 65才で定年退職となりますが、一応、60才から希望者は早期退職することがてぎます 自分もいい年齢なのでもう定年が見えて来ましたがどうなるでしょう 健康で身体が満足に動くなら定年いっぱいまで働きたいですので、今のうちからト…

ささやかなファンサービス

いつも競馬ではパドックは見られる側ですが、意外にも厩務員もパドックにいるお客さんを見ています 特にカメラを向けて写真を撮ろうとしている人には顔を少しそちらに向けてカメラ目線になるようにしています もちろんうるさい馬で余裕がなければそれはでき…

乳酸は疲労物質?

昔は、乳酸は疲労物質だから調教後やレース後にとにかく乳酸を解消させようとしてましたその為にクールダウンを長くしたり速く歩かす等色んな工夫しながらやってきましたところが科学的な解明が進んだ現在は乳酸は疲労物質というより寧ろエネルギー源だとわ…

どんなに懐いている馬でも

長く担当していて、どんなに懐いてる担当馬でも、結局はニンジン持って歩いている人が前を通ったら、今触れ合ってる担当者を押し退けて催促しに行くので、俺たちの絆は何だったんだとなって悲しくなります なので、こちらも負けじとニンジンを用意するのは実…

トレセンの病院

栗東トレセンには病院が2つあります。もちろん1つは馬用の病院で、最新鋭の設備も整った病院で治療場または診療所って呼んでます もう一つは栗東診療所と言って一般の人も受診できる病院です。馬と違って入院できる設備はないですが、設備の整ったそれなり…

引退後の馬を

自分が担当した馬を引退後どうなったか追いかけてはいけないのがこの業界の暗黙のルールですがそれでも気にしてしまいますSNSで元担当馬が乗馬で可愛がられてるって知った時は本当に嬉しかったです。誰とは言わないけどいつもチェックしています 気軽に行け…

トレセンに棲んでる猫

トレセンの中にも猫はよく見かけますが、馬は特に気にすることはありません もちろん、猫が暴れたり急に飛び出したりしてびっくりすることはありますがパニックになるようなことはないです 馬が猫を気にしないのは、ほとんどの牧場がネズミ対策に猫を飼って…

サラブレッドの赤ちゃん

サラブレッドの生まれたての赤ちゃんは50㎏くらいしかなくて胸囲も80㎝くらいなので両手で抱えられるくらい小さいんです 大型犬くらいの大きさしかないのでめっちゃ可愛いですでも生まれたての赤ちゃんは成長も早くて、1週間で10㎏ずつくらい増えていって1ヶ…

ゲート試験

全ての競走馬においてまずゲート試験に合格しなければ競馬に出走することはできません。競馬場でレースに出ている馬はゲート練習を経て試験で合格しています。 普段は競馬以外でゲートから全力で出して追うことはまずやりませんが例外はゲート試験です。試験…

正直成績の悪い馬を担当するのは?

ほとんどの厩舎は担当馬制で担当馬の競馬の成績で歩合を支給されるスタイルです自分の担当馬の競馬の成績によって報酬が変動するので、みんな本音は走る馬を担当したいです ではだからと言って成績の悪い馬が担当になるとやる気がなくなるかと言うと面白いこ…

どんな馬でも触れ合えるのは

馬は乗るのが当たり前だけど、ある日、突然跨って乗れるわけではありません。 当たり前だけど、馬は臆病で神経質な動物なので、いきなり跨るなんて自殺行為です。人間が身近に触れ合うのは難しい動物だと言われてもピンとこなですが、そもそも当たり前のよう…

馬は臆病だけど

馬はとても臆病で怖がりな動物なのですが、その反面、安全で快適であると認識したものにはすぐに慣れます 記憶力に優れているのですがそれは怖いものや危険なものに対しては発揮されますが慣れてしまえばすぐに忘れる動物ですつまり、人に対しても最初は警戒…

歯のチェック

人間と同じように競走馬も歯のチェックは欠かせません。ただ、人間と競走馬ではチェックする内容が違います。 人間では主に虫歯をチェックしますが競走馬は歯が尖ってないかをチェックします。馬は飼い葉を食べるとき奥歯を石臼の様に食物を擦り潰して食べま…

ドーピング検査

何年か前にですが、検査済と言われてたサプリメントが再検査の結果まさかの禁止薬が検出されるという前代未聞の出来事が起こりました。 覚えてる方もいるでしょうがそれによってその当該週の競馬では、サプリメントの摂取が疑われる馬が大量に除外され大きな…

ムチを使うって実は難しい

追い切りでムチって実は難しい。 普通にあのスピードでムチを振るのもだけど、まず片手でハミを掛けて、馬の前後の揺れに合わせて体が前に行くタイミングで鞭を振る。その時に片手で手綱を操作しつつ、決してハミを外れないように片手で追います。 ハミが外…

馬上で会話するのは

こんなこと書くとちゃんと真面目にやれとか言われるかもしれませんが、仕事中はなるべくおしゃべりしながら仕事してます 同僚だったり、近くの厩舎の人、たまたま会った人、誰とでもしゃべりながら仕事してます 内容も全く仕事に関係ないことをふざけながら…

馬も人が変わる?

普段、厩舎の馬房にいる時はかわいい顔をしてるのに競馬に行くとガラッと人(馬?)が変わる馬もいますいつもはぬいぐるみのような目で訴える甘えん坊な馬が、競馬に行くと肉食動物のようなスナイパーの目で目につく全てを殺すと言わんばかりに頭を振り回し…

馬の子別れなぜ必要なの?

子別れとは、ある程度成長した子馬を無理やり母馬と引き離すことです とても残酷で可哀想に見える子別れをどうしてしなければならないのか、そもそも子別れは必要なのでしょうか? 目的は、はっきり言うと子馬は母馬への依存を切り離して人間との関係を築き…

長話しをしない癖

特に午後の仕事ですが厩舎に着いたら真っ先に担当馬の馬房に行くわけではありません 真っ先に駆けつけて様子をチェックしたいのですがその前にやることもいっぱいありますまず大仲で軽く同僚と挨拶して明日の調教の内容の確認や時間の打ち合わせ等や、トレセ…