うまなりの馬なりブログ

競走馬のベテラン厩務員が教える馬ブログ

ささやかなファンサービス

いつも競馬ではパドックは見られる側ですが、意外にも厩務員もパドックにいるお客さんを見ています 特にカメラを向けて写真を撮ろうとしている人には顔を少しそちらに向けてカメラ目線になるようにしています もちろんうるさい馬で余裕がなければそれはでき…

歯のチェック

人間と同じように競走馬も歯のチェックは欠かせません。ただ、人間と競走馬ではチェックする内容が違います。 人間では主に虫歯をチェックしますが競走馬は歯が尖ってないかをチェックします。馬は飼い葉を食べるとき奥歯を石臼の様に食物を擦り潰して食べま…

ムチを使うって実は難しい

追い切りでムチって実は難しい。 普通にあのスピードでムチを振るのもだけど、まず片手でハミを掛けて、馬の前後の揺れに合わせて体が前に行くタイミングで鞭を振る。その時に片手で手綱を操作しつつ、決してハミを外れないように片手で追います。 ハミが外…

馬上で会話するのは

こんなこと書くとちゃんと真面目にやれとか言われるかもしれませんが、仕事中はなるべくおしゃべりしながら仕事してます 同僚だったり、近くの厩舎の人、たまたま会った人、誰とでもしゃべりながら仕事してます 内容も全く仕事に関係ないことをふざけながら…

馬も人が変わる?

普段、厩舎の馬房にいる時はかわいい顔をしてるのに競馬に行くとガラッと人(馬?)が変わる馬もいますいつもはぬいぐるみのような目で訴える甘えん坊な馬が、競馬に行くと肉食動物のようなスナイパーの目で目につく全てを殺すと言わんばかりに頭を振り回し…

馬の子別れなぜ必要なの?

子別れとは、ある程度成長した子馬を無理やり母馬と引き離すことです とても残酷で可哀想に見える子別れをどうしてしなければならないのか、そもそも子別れは必要なのでしょうか? 目的は、はっきり言うと子馬は母馬への依存を切り離して人間との関係を築き…

魔性の女?

この世界に長くいると、あっこの馬好きかもってビビビってくることことが確かにあります隣の厩務員さんの担当馬にとても可愛いい人懐っこい馬がいて、一目見た時からお互いに惹かれ合う感覚がありました自分の担当馬より確実に懐かれているし、お互いに相思…

競走馬のサプリメント

競走馬のサプリメントって次から次へと新しいのが出ますけど実は競走馬はしっかり飼い葉を食べてたら特定の栄養素が不足することはないまずありません あくまでも人間が管理しているので、栄養が偏らないようにしているので当然かもしれませんが 結局のとこ…

馬を寝かす

厩務員の仕事は「馬を寝かす」ことです 読んでそのまま「寝かす」ことではありません 調教の終わった馬を手入れすることで、具体的にはクーリングダウンの終わった馬をシャワーで汗を流し、脚元をクーリングしながら、身体を拭きあげて馬房に戻すまでの一連…

仕事の癒やし

こう言っては何ですが、仕事で可愛らしい馬や仕草を見ても癒されることはありません。ドライなと意味ではなくて、かわいいと思うし癒されるわ〜というときもありますが、心底から癒されるとはありません。 やっぱり仕事なので何か異常ないかと見てしまうので…

武豊騎手

厩務員をやっていて自慢できることの一つに武豊騎手で勝ったこと、勝って握手してもらって上に厩務員のおかげで勝てましたってコメントしてもらったことです リップサービスもありますが能力があるのに乗り難しい馬を何とかして競馬で結果を出したいと試行錯…

馬の顔を見分ける

馬に乗り始めたばかりの初心者の頃は馬の顔の見分けなんてほとんどできませんでした。顔の白い模様(白斑)でしか見分けることができなくて良く似た模様だと区別はついていませんでしたそれでも段々と馬の顔の違いが見分けれるようになってきて、模様が同じ…

パドックは本当は観客と会話してはいけない?

厩務員は競馬場でパドックを回っているときは本当は観客と会話したりするのは禁止されています。 会話してると注意されるのですが、昔、自分の子どもがまだ小さい頃に競馬場のパドックを見に来た際は、周回する度に「パパ〜っ」て手を振ってくれたので最初は…

挨拶

トレセンのお仕事は、とにかく挨拶をする仕事で、朝すれ違うたびにおはようございますって挨拶するのが日常です。 まー馬関係だけじゃなくて、どこの業界でもいると思うんですけど、挨拶しても絶対に返さないで無視する人っていますよね? 口付いてんのか⁉️…

鼻血

たまに競馬でも聞いたりする疾病で鼻出血ってありますよね? あれは要は鼻血のことで、馬は鼻出血が出ると息ができなくて走ることができなくなります。競馬で発症した馬は馬体の保護の為、次走の出走を制限されるけっこう重大な疾病です知らない人は鼻血でそ…

馬の国内の輸送方法

JRAでトレセンから各競馬場への馬の輸送は担当厩務員が同行しながら全て馬運車と呼ばれる専用の大型トラックで運びます ですので国内の馬の輸送は全て陸送で運ぶことになります海外への輸送では飛行機での空輸になりますが国内では使いません。 例えば栗東ト…

2023/03/28のTwitter

老後の備えはお金も大事だけど健康が1番大事年取ってから気付くけど若い頃は勉強に投資して今は健康に投資する— うまなり@ベテラン厩務員 (@umanari_uma) 2023年3月28日 来年の夏競馬から暑さ対策に薄暮競馬をするみたいですね薄暮でどれ程の効果があるかは…

実は怖い

毎朝、厩舎に来て馬をチェックするとき実は怖い、いつも脚元をチェックして何もなかった時の安心感。ホッとするし今日もがんばっていきましょう〜って馬に声かけたくなる 午後の仕事に来た時も、何ともなければまず安心する 脚元が丈夫で身体がタフな馬はほ…

ささやかな幸せ

お題「ささやかな幸せ」 馬にも個性や元々の生まれもった性格もあるので物凄く人懐っこい仔や、どうしても人間嫌いな子もいるし、そもそもあまり構わないで欲しいって子もいるので、そうゆう子達にはなるべく構わないことでストレスをかけないようにしていま…

人間らしい社会

人間らしい生き方って当たり前ですけど人間らしい社会で生きることですよね ならば周りに木々があって、鳥や虫がいて鳴き声がしたり、猫や犬などもいて騒がしくて、馬の足音やいななきが聞こえて(ちょっと違うか?)子どもがはしゃいでたくさんの音がする。…

変わらないことも大事

よく長期のリフレッシュで休ませて馬が成長したとか、一夏越えて身体が一回り大きくなったとかよく聞くコメントありますが、やはりいいニュアンスのコメントで好意的に受け止めてもらえますよね。 でも、変わらないことも大事です 特に若馬、3歳馬などが変わ…

無観客時のパドック

正直に言いますとパドックが長いとキツいですね まだ回るのかーとか思いながら時計をチラチラ見ちゃいますでも観客に見せる唯一の機会なのでどうだ俺の担当馬を見てくれ(オーナーさんの馬ってことはわかってますよ。そんな気持ちってことで)って気持ちで回…

不安なこと

当たり前ですが歳を取って、定年までまだまだって思ってたのがもう定年が見えるころの歳になりました。 それでも定年までにケガや病気で今の仕事を続けられなくなったらどうしようって不安はあります競走馬でなくても馬に関わる仕事ができるのか、それとも馬…

馬と触れ合う為にも

馬を扱ってても99%は何事もなく大丈夫です。でもその残り1%のアクシデントがとんでもない事故になることがあります。私でも、実際に大怪我どころかあわや死にかけたこともああります。もし一般の人が巻き込まれるような事故があったら大袈裟かもしれないけ…

ピッチ走法とストライド走法

競走馬でよくピッチ走法の馬とストライド走法の馬って聞きますけど、厳密に言うと競走馬はストライド走法しかありません競走馬がスピードを上げるには歩幅を大きくして一歩の距離を伸ばすことによっスピードが上がるからですピッチ走法の馬がスピードを上げ…

回転襲歩と交差襲歩

競走馬の走り方(ギャロップ)には2通りの走法があります 回転襲歩と交差襲歩で、回転襲歩は静止状態からのダッシュをする時の走法で競馬ではゲート発進の際に見られる走法です 交差襲歩は動作中にスピードを上げていく課程の中で最高速度を出す為の走法で…

春闘で思うこと

今わかる範囲で今回の春闘をまとめると、11年前にどん底まで売り上げが落ち、各種手当てや1部賞金のカット等もあり調教師会・馬主会の使用者側からの要求に屈する形で、以降新規入社の厩舎従業員の給料を20%カットする新賃金体系を導入。 現在は売り上げも回…

馬主は増えてますが

JRAの馬主の数が増えてバブル期の過去最高に迫る勢いです各セリでの売り上げ・売却率も毎年過去最高を更新するくらい活況で競馬産業の未来もさぞ明るいとのことでしょう…とは思いません馬主サイドからすれば馬の購入費も上がる牧場・厩舎の預託費も上がるこ…

目的

私がTwitterやブログをやっている目的は、馬のことを知って欲しいからで、本や図鑑のように馬は高貴で気を遣うような特別に技術と経験がいるといったお堅い知識じゃなくて、身近で犬や猫みたいな何の変哲もない生き物ということを知って欲しいからです 誤解…

参った馬

この仕事も永くやってると、なかにはこれは参ったって馬も少なからずいました。それこそ昔は今と違って育成段階で手が掛けられてない馬もいて大変だった思い出があります 今は牧場でしっかり手をかけてくれてる馬が多いので少なくはなりました。ありがたいで…